岩手県盛岡市の進学塾

TEL0120-69-5798

営業時間
平日
15:00~22:00
土・日・祝
14:00~21:00

※水曜日は定休日となります

8月白ゆりテストレビュー

8月白ゆりテストレビュー

  • 2021.09.01
  • ブログ

盛岡の塾TopNote、代表のアトムです。
本日17時をもって、8月の第2回白ゆりテスト、自宅受験の提出締めきりとなりました。
ということで、私自身が時間を実際に計って解いたうえでのレビューを書いていきたいと思います。
あくまでも私の個人的な感想・批評となりますので、その点ご了承いただければ幸いです。

総評

全体的に、8月のテストということで易しめに調整されている印象です。しかし、岩手県の高校入試の傾向はさすがに考えて作られておりますので、過去問を解いたことがなく、今回初めて白ゆりテストを受けた方には難しく感じられた方もいるかと思います。
特に理科は難しいと思います。時間内に終わらなかった方も多いでしょう。英語は注が非常に多く、*のついている単語が出るたびに注を見なければならないようだと、なかなか高得点はきついかなと思います。
とはいえ全体的には易しい問題ですので、盛岡一高を目指す方で400点を切るようだと黄信号でしょう。三高・四高・北高を目指す方でも350点は取ってほしいと思います。今回のテストを見直すことでかなり力がつくと思いますので、今回の記事が見直しの助けとなればと思います。

国語 読解の基本姿勢と時間配分を振り返ろう

今回の国語は、全体としては易しいですが、一部の問題で戸惑うところもあるかもしれません。こちらを見直しの一助として、自分の読解の姿勢を確かめていただけると幸いです。問題を解くことより、そこから何を学ぶかが大事です。

第一問 小説の読解 佐川光晴「駒音高く」より

将棋の物語は他県の入試で出題例がございます。といっても将棋の知識が必要なわけではないので、冷静に読んでいきましょう。
(1)の選択肢のなかに分からない四字熟語があるようでは心配です。確認しましょう。
(2)も直前・直後の内容からすぐ読み取れますので、落とせないでしょう。
(4)は字数で探せてしまいます。
(3)以降がこの設問のポイントです。この文章の後半部分では「野球」と「将棋」の対比が描かれています。(3)で対比に注目させて、(5)はそれを踏まえて記述で答えるという流れになっております。
(3)の下線部のある文の前半に「野球と将棋の違いを考えているうちに」とありますので、(3)でウを選ぶのは易しいでしょう(選択肢に野球と将棋が両方入っている文がそもそもウしかないので)。味方が存在し、喜びを分かち合ったり、励まし合ったりできる「野球」に対し、自分以外が全員敵でそれらがかなわない「将棋」。この両者の違いが翔太(ぼく)に恐怖を与えているわけです。(5)では「野球とのちがい」に触れるよう指示がありますので、これを書けばよいことになります。字数的にこの対比を書けば終わってしまいます。(3)の選択肢ウとほぼ書く内容変わらないので戸惑うかもしれません。

第二問 説明文の読解 田中修「植物はすごい 七不思議篇」より

文章中で定義されている”眠り”とは何か、その仕組みはどうなっているかを読み取れれば終了という文章でした。誘導に乗って時間をかけず読んでいきたいところです。
(1)は「学習のアドバイス」の通りです。連文節の演習が必要なら手当てをしましょう。
(2)について。「”眠っている”状態」という表現がこの下線部で初めて出てきます。下線部の直前で「つまり」「いわば」のようなつなぎ方をしていたり、下線部内で「~というわけです」「~といえるでしょう」のような表現があれば、下線部の前を読む必要が出てきます。しかしそういった表現はないので、後ろの方を読んでいくことになります。直後に「越冬芽が”眠っている”とは、どんな状態なのでしょうか」とありますから、やはり答えは後ろの方にあることがわかります。
(3)Xは選択肢と文章を単に照らし合わせるだけです。Yは最も短く表現すると「目覚める」で終わってしまいますが、この試験では字数制限の8割を埋めないと採点されないので、別の表現をする必要が出てきます。「目覚める」は比喩表現なので、それを使わず「開花できる状態になる」と答えることもできそうです。模範解答は「目覚めた状態になる」であり、これは「目覚める」をわざと長く言ってマス目を埋めているだけに個人的には思い、疑問が残ります。(本文によると”眠る”が植物学的にもつかわれるそうなので、「目覚める」も植物学的にもつかわれるかもしれません)
(4)について。説明文の最終問題はだいたい、本文全体を振り返る問題となります。そのため、キーポイントが本文の最初の方に来ることもしばしばあります。今回は下線部の「もの足りない」という表現が第二段落にもあることに気づけたでしょうか。第二段落の最後に「この答えは、ツボミが春に花咲くためにしている苦労に触れていないからです」とありますから、この「苦労」にあたる部分が答えであることが、ここからもわかります。この問題に答えるだけなら、直後に「きびしい寒さに耐えねばならない」とあるので、単純にこれで終わってしまいますが、こういったところも気にしておきたいところです。

第三問~第五問

ここから先は、基本「学習のアドバイス」を見ていただければと思いますが、ところどころ抜粋してコメントをと思います。(全部この調子だと終わりませんので)
第三問(2)は解説文中で「とほけれど」で表現されている感情が説明されています(第三段落)ので、切迫した感じの「どうしても」という部分を書くことが必須になると思われます。が、ここも字数制限を満たすのに苦労すると思います。こういったところで時間を浪費しないようにしたいところです。(捨てる勇気)
第四問は(1)(2)が漢文の知識問題ですが、(3)(4)は〔解釈〕と突き合わせるだけで答えが出てしまうので、逆にここは落とせないところです。時間をかけても分からないという方は、漢文の練習というより、漢字の学習の際に字の意味を意識しながら覚えることを徹底した方がよいでしょう。
第五問(2)は第一段落で手紙が「お礼状」であることを示し、第二段落では何かしら手紙を書くときの心がけ(字を丁寧に書く、心を込めて書く、などで十分でしょう)を書けばいいだけなので、絶対に埋めたいところです。埋められなかった場合は時間配分ミスといっていいでしょう。

数学 簡単だが幅広い問題、苦手分野から逃げるな!

数学はこれといった難問もなく、進学校を目指す方は満点を狙いたいセットです。まんべんなく出題されてますので、基礎の復習には最高の問題です。

第一問~第三問

全部落とせません。第一問(2)で後ろの( )を外すときに-6-4aと後ろの符号を間違えたり、第二問で1を素数だと思ってイを選べなかったり、第三問で90を分母にしてしまったりした方は深く反省しましょう。

第四問

(1)の回転移動は戸惑ったかもしれません。回転して重ねる際に、対応する辺はどこか(重なる辺はどこか)を考えましょう。BOとDO、AOとCOが重なります。あとは、対応する2つの辺がつくる角に注目すれば答えが出ます。反時計回りであることに注意です。
(2)は「学習のアドバイス」の通りですが、角xの下にもう一本平行線をひいて、平行線の錯角の利用だけで解くことも可能です。「学習のアドバイス」にある「三角形の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しい」というのは使いこなせるように。いちいちもう一つの内角を求めて、それを180から引いて…と計算するのは卒業しましょう。
(3)は球の表面積と体積の公式間違えないでね、といったところです。表面積の単位は㎠だからrの2乗、体積は㎤だからrの3乗、と覚えてしまってもよいです。

第五問~第七問

これらも「学習のアドバイス」以上にあまり言いたいことはございません。配点は高いですが、ここの21点もちゃんと取り切りましょう。記述を怖がらないことです。
強いて言えば、第六問で「用いる文字が何を表すかを示して方程式をつくり」という指定がありますが、計算過程を書く問題であれば、指定が無くても用いる文字が何を表すかは説明しないと減点される可能性が高いです。ふだんから何を文字で置いているかを書く習慣をつけましょう。それもなしに勝手に新しい文字を使ってはいけません。

第八問

そもそも「相対度数」「累積相対度数」「階級値」の意味は大丈夫でしょうか。今一度確認を。(2)では中央値や最頻値を計算しなければなりませんが、度数分布表やヒストグラムで代表値(中央値・最頻値・平均値など)を求める際は、階級値(階級の上限の値と下限の値を足して2で割る)を用いて計算しなければなりません。ちなみに「Aさん、Bさんそれぞれの記録の平均値を求めよ」と言われて求められるでしょうか?要確認。

第九問

(1)の「学習のアドバイス」がざっくりとしているのでもう少し掘り下げます(ヒストグラや箱ひげ図に目盛りがないので、ざっくりとした解説が不適切というわけではなく、むしろ適切です)。目分量ではありますがヒストグラムのバーの長さが左から1:2:3:6:3:2:1となっているので、データの個数を18とすると、中央値は真ん中の階級の階級値、第一四分位数は5番目の値が属する真ん中のすぐ左の階級の階級値、左右対称であることから第三四分位数は真ん中のすぐ右の階級の階級値になります。これをア~エと照らし合わせると、左右対称でないことからア・エが消え、さらにイの場合、明らかに第一・第三四分位数が該当する階級にないのでウということになります。
(2)については賢く解こうとするよりも36通り調べてしまった方が早いという方もいると思います。もちろん「学習のアドバイス」通り解くのが最適ですが、問題を全部見てこれ以上きついとなったらこういう点の取り方も大事です。

第十問・第十一問

これらもあえて追加して言うことはあまりないです。時間に余裕ある方は、第十一問の問題文の「3」を「a」,「9」を「b」に読み替えて、内部の2つの正方形の面積の和と、正方形ABCDから2つの正方形を除いた部分の面積が等しくなる条件を考察してみてください。一般化して考察する、というのは数学の力をつける効果的な方法になります。

第十二問

今回のラスボスですが、解こうと思えば中1でも解ける問題になっています。(1)はうまく真似して解けたでしょうか。(2)については、文字が多く出てきた時はなんとかして文字を減らすことを考えます。カレンダーの問題(カレンダー上の数字を十字に囲んだとき、囲まれた5つの数字の和は5の倍数になることの証明、とか)を解いた経験を使えば勝負できるはずです。決して難しくはありません。

英語 注に頼りきりにならない語彙力を!

こちらも全体として易しい問題ですが、注に圧倒されたかもしれません。教科書によって必須語句として扱われていない可能性がある表現が注として出てきているものと思われますが、以下の表現は注になくても知っておきたい表現かなと思います。覚えておきましょう。

speech スピーチ
in front of ~ ~の前で
get off ~ ~を降りる
actually 実は
public 公共の
reach ~に届く
be moved 感動する (moveで感動させる、「心を動かす」と考えればわかりやすい)
NPO 非営利団体(社会で出てきますので…)
be born 生まれる
given giveの過去分詞形
how to ~ ~の仕方
decide to ~ ~しようと決心する
skill 技能、技術
while ~ ~する間に
gifted 才能のある(英単語としてというより、「ギフテッド」という語が常識となりつつある)
in the 1980s 1980年代に(1990sで1990年代)
government 政府
reduce ~ ~を減らす(Reuse, Reduce, Recycle)
between ~ and … ~と…の間の(「ビトイーン」は歯と歯の間にちゃんと届く歯ブラシですよねおそらく)
bloom 咲く
leg 脚(足首から骨盤の部分まで)
final 最後の
take part in ~ ~に参加する
support ~ ~を支える
do my best 全力を尽くす

第一問から第五問は平易な問題かと思います。
第六問(1)は前の文the door stays open for a long time.を注を見ながら訳せれば、時間にかかわる内容が次に来るのが自然なのでウが選べるでしょう。(2)は前の2つの文 Elevators are very useful for us. How about giving a speech about them?から、usefulなもののスピーチをしないかという話題となっているのでusefulと断定。
第八問(5)は、手紙全体の理解を問う問題になりますが、二つ目の空欄がI hope another ( ) will bloom in my future.とあることから、空欄には「花」が入らないと不自然です。(bloomは注にありますし)それだけでアと答えられてしまいます。気づけると楽です。
第九問(3)は現在完了進行形です。範囲表に予告がありましたので宣言通りの出題。
第十問の英作文、まじめに考えて①が誰も浮かばずに時間とられるということのないように。定番の回答をすればそれで大丈夫です。よくある自由英作文のテーマですね。

社会 地理で差がつく、歴史は落とせない!

全体的には標準~やや易しめかなという出題ですが、地理できつい問題がいくつかあったなという印象です。

地理(第一問~第五問)

第一問(1),(3)は定番。(2)については、まず赤道の長さが約40000kmであるという知識がなければどうしようもないです(国道4号の総延長が約800kmであることから、目分量でマス目の一辺が1500kmであると推定したり、他にも方法はありますが、そういった知識よりも赤道の長さの知識の方が必須でしょう)。経度は本初子午線から西に180度、東に180度で合わせて一周360度ですから、地図の目盛りを頼りに太線が90度分の長さであることを読み取り、40000の4分の1である10000kmと求めていきます(地図の両端が西経30度で一致するので、地道にマスを数えてもなんとかなります)。
第二問はオーストラリアの知識がすっぽり抜けて何もできなかった方もいると思います。(2)(3)は知識問題なので特に太刀打ちできなかったでしょう。(1)は問われているのがアリススプリングスであることが救いです。他の3地点がすべて沿岸なので、乾燥帯であるとしたらアリススプリングス、と思ってウを選ぶことが出来ます(アタカマ砂漠など海岸でも砂漠の場所がありますが、説明なしに中学地理で問われることはあまりないでしょう)。
第三問(1),(3)は定番。(2)の原子力の急減が震災をきっかけとしたものであるかが分かったでしょうか。いま稼働している原発がどこかを調べてみるのも一興です。
第四問はいずれも易しいですが、(2)の主題図を作る問題で、そもそも四国の都道府県の位置が分からないという方はいませんでしたでしょうか。都道府県の位置は基本ですが、中国地方・北関東・九州地方の位置は大丈夫でしょうか?
第五問は(1)で地形が詳しく問われました。若狭湾は「原発銀座」ともいわれ、発電所の分布でもポイントとなる地域です。伊勢湾も若狭湾もリアス式海岸ですね。
(2)は海岸線距離だけで④は決定できます。内陸県(海なし)の奈良県が海岸線距離が0である①、残りの3府県の中で兵庫県は、北部も南部も海と接しているうえに、淡路島も兵庫県ですので、大阪府と京都府よりは海岸線は圧倒的に長くなります。ということで④とあっさり決定できてしまいます。(王道の解き方は「学習のアドバイス」を見てください)
(3)はメジャーな工業地帯ですので落とせません。
第一問・第二問・第五問あたりで差がつくのではないでしょうか。

歴史(第六問~第九問)

第六問(1)は記述問題の形をとった知識問題です。(2)は「鎌倉」がどこかを問う問題。鎌倉は東京から湘南新宿ラインで一本です。(3)はモンゴル帝国建国と1192年の前後関係をストレートに問われると厳しいかもしれませんが、他の選択肢がまずありえないので大丈夫でしょう。
第七問(1),ペルーがインカ帝国、メキシコがアステカ帝国。文字数が同じと覚えておくといいでしょう。(2)は半分答えを言っているようなものです。(3)は与えられた資料が「バテレン追放令」であることが特定できた方もいたでしょう。「バテレン追放令」という用語を問われるとやや厳しい問題でしたが、資料を読み取ればいいだけなので大丈夫でしょう。
第八問の世界史問題はあまり勉強していなかった方も多いかと思います。「学習のアドバイス」を読んで復習を。
第九問(1)は面食らった方もいらっしゃるかもしれません。平成が30年、昭和が63年…と冷静にさかのぼれば大正であることが分かります(もちろん「大正デモクラシーでしょ?」とわかればGood)。(2)(3)(4)はいずれも基本問題。
第六問・第八問がやや差がつくかもしれませんが、全体的に細かい出題は少ないです。

理科 難問ラッシュは成長のきっかけに!

目新しい問題はないものの、全体的にやっかいな問題です。復習しがいがありますね。

第一問

小問集合ですが、その中に(5)の化学反応の質量比の問題が出るのは厳しいなと感じました。定番問題であり、入試直前であれば答えを覚えてしまっている方も多い問題ですが、現時点でそういう方はあまりいなかったのではないでしょうか。時間をとられてしまった方もいるかもしれません。

第二問

(1)はよくある図でサービス問題。(2)「活断層」答えられたでしょうか。(3)(4)の初期微動継続時間に関する問題は定番。(5)は「震度とマグニチュードの違いを説明せよ」という記述問題になってもできるようにしたいところ。全体的に易しめです。

第三問

知識問題ばかりですが、盲点だった方は多いでしょう。特に(2)は図の左右と右心室・左心室の左右が逆なことに注意。ひっかかりやすいです。(5)の細胞呼吸の記述はそのまま覚えてしまいましょう。

第四問

電気の分野が細かく問われました。オームの法則は使いこなせたでしょうか。(3)②の実験で得られたデータからグラフを作る問題には要注意。折れ線でつなぐのではなく、間をとった直線を引くわけです。(5)は公式を単位まで含めて正確に覚えているかが問われました。秒に直さず計算した方は反省しましょう。理科の計算で出てくる公式は、単位を意識して覚えるように。どの分野も比例計算と割合計算ですから、練習すれば数学にもつながります。

第五問

第一問でも化学反応出てきたのに、こうしてイオンの問題まで出てくるわけですから、化学分野苦手な方にはきつい問題でした。(3)の塩素の漂白作用は思い出しておきましょう。主要な化学反応式、イオン式は中学理科では丸暗記せざるを得ないのが厳しいところですが、覚えるところは覚えてしまいましょう。

第六問

「溶解度」は水100gあたりに溶ける質量であることに注意です。この問題の実験では水20gなので、表の数値は全て5で割ってから使わなければなりません。これで計算が全て狂った方も多いでしょう。痛い目見たら教訓にしましょう。